『ヒエラルキー依存症』で思考停止
ヒエラルキーとは、階層制や階級制のことであり、主にピラミッド型の段階的組織構造のことを指します。
組織で上を目指すために社内営業に全ての力を費やす人は、依存度合が高い状態となってます。部下や業者を見下したように扱う人も、この依存症にかかってます。
勝手にヒエラルキーを妄想して、その妄想したヒエラルキーの上位を目指し、下位を見下すというタイプの『ヒエラルキー依存症』とも言える人は、思考力が低い状態となってます。
◇ヒエラルキーは単一のパラメーター(尺度)になりやすい・・・
例えば、偏差値至上主義者も一種のヒエラルキー症候群と言えます。
偏差値という単一の尺度で、大部分の評価を下してしまうと、より深くを考えなくて済み、複雑な分析をしないで済むため脳は楽ができます。
より多くの人々と、ある何かの評価尺度を共有しようとした場合、複雑な要素が絡み合った評価軸は、共有しにくく、平等感も得にくいものとなります。
そのため、大学入試における"偏差値”という単一パラメーターは、ランキングしやすく、そしてヒエラルキーを意識して依存しやすくなります。
つまり、ヒエラルキーを作り出そうとすると、単一パラメータになりやすいということです。
◇脳が、安定を目指す自動運転モードへ
例えば、「より偏差値の高い学校を目指す理由は、より大きな会社へ入るため。」という考え方は、最終的にどこを目指しているのかというと・・・
作り出されたヒエラルキー内の上位安定ゾーン
を目指していると言えます。
価値の基準が共有されている集団の中にいると安心して、その中で上位にいる事がさらに安心できるという「安定を目指す自動運転モード」で、上位へ上位へと目指し進んでいく状態になります。
より大きな集団=安定
↓
その集団の上位=もっと安定
といった単純な制御回路が組まれた自動運転モードです。
こういった思考停止している人によくあるパターンですが、どこでも勝手に順位付けをして、周りの人を判断したりします。症状が酷くなると、周りを見下したりします。
◇単一の数値に左右されない思考力
・偏差値
・就職ランキング
・レストラン評価点数
など、世の中は単一パラメータ評価が溢れてます。
そのような単一評価思考にならないためには、どんな状況でも良い点を見つける力が必要になります。
例えば、レストラン評価サイトの点数が高いお店に行ったとき、単一評価思考の人は悪い箇所が気になってしまいます。
「点数高いお店なのに・・・」
と悪い点ばかり気になってしまいます。
これは、評価サイトの点数が高いことと、レストランがミスの無いパーフェクトな対応をする事とを混同しているからでしょう。
これと同じ思考で、評価サイトの点数が低いと、全ての事が悪いと勝手に想像してしまいます。
料理の味、お店の雰囲気、顧客対応、レストラン経営者のセンス、立地条件など、レストランを経営する上では、様々な要素が絡み合って成り立ってます。
誰がやっても流行るレストランの絶対法則が発見されていれば、誰でもお金を稼いでます。
逆に全てが悪いお店があった場合、そのお店は数か月持たないでしょう・・・
何処かに良いところがあり、何処かに悪いところがあり、その複数の項目の善し悪しが合わさり、経営されているものです。
そのため、点数が悪いお店でも、何か良いところがあるはずです。
そうでなければ、等の昔に潰れてます。
どこか良いところを探すという思考活動は、評価の軸を増やし、複合評価をする活動となります。
変数を増やすと、評価がより複雑になり、考える事が必要になります。
できるだけ、良い部分を見つける行為は、思考を停止させないために必要な活動です。
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