「周りが見えていない人」は思考力が下がる

  見えているつもりでも、見えていないのが人間のクセのひとつです。
  脳内の活動を低下させている状態、つまりボーっとしている状態は、疲れません。
  楽をすればするほど、そのクセがパワーアップします。

  いま見ている景色にも数えきれないほどの情報がありますが、脳内に定着する情報はほんの一部だけです。
  脳内に情報が定着しなければ、思考開始時に必要となる材料、つまり「知識」が少ない状態となり、思考力が下がってしまいます。 


◇理解したものしか脳内に定着しない

  視界に入ったものでも、全て見えている訳ではなく、気にしたものしか見えていません。
  そして気にした物の中でも、その物に関係する周辺知識が無ければ、理解できません。
  理解できなければ、脳内に情報が定着しません。

  この記事を読んでいる人は、画面を見ています。画面周辺も視界に入っていますが、画面の文字を読んでいると、気にしていない部分はほとんど見えていない事でしょう。
  
  さて、画面内に話題を戻して、「次の文字をしっかりと見てください。」と、読んでいる人が気になるように促しても、

 「 شُكْرًا」


  さっぱり、何を書いているのか分かりません。

  これは、アラビア語のありがとうという意味のシュクランです。アラビア語に関する知識や情報がある人は、理解できる事でしょう。しかし、アラビア語が解らない人にとっては、意味がさっぱり分かりません。

  意味を理解出来なければ、脳内に新たな知識として残りません。

  先ほどの、シュクランはどっち?

  「شكرا لك 」 「 شُكْرًا」

  と聞かれも、「形を左右比べると、どっちかと言われると、左のような気がする…」
  という、見比べて「左っぽい」とイメージや形状の雰囲気を感じるだけで、意味を持った形では覚えられていない状態となります。
  知識として、脳内に情報が定着していない状態です。
  (どちらも、アラビア語のありがとう)

  知識という意味を理解した定着した情報として、脳内に入っていると、街中で目につく情報量も、自然と増えていきます。
  こちらの写真は、ラスベガスの街中で良く見かける、ブルーマンショーの看板です。
  日本でもブルーマンは一時期話題になりましたので、知ってる人は多いかと思います。
  現地のアメリカ人なら、「ブルーマンショーの宣伝だな」で終わるかもしれませんが、日本人なら「見ざる、言わざる、聞かざる」という思いを汲み取り、理解する情報量が多くなります。つまり、脳内に残る情報量も増えます。


◇先ずは何事にも興味を持ち知識を増やす

  思考力を鍛えるためには、先ず始めに「興味を持つ」ことから始まります。
  見たもの、聞いたもの、感じたものに対して、「興味を持つ」という心の動きが無ければ、認識する事が出来ません。

  次に、興味を持った物事の「周囲知識を増やす」ことです。
  何かを調べるために、グーグルで検索しても、その事だけで終わるより、他の意見や周囲事項も合わせて調べる事で、調べた内容の深掘りが出来るだけでなく、まだ知らない他の内容の周囲知識となります。

  異なる情報も、周囲情報は繋がっている事が多々あります。
  この繰り返しで、ひとつを調べて完結する人より、飛躍的に知識が増えます。

 脳内の知識量が増えると、視界に入ってくる情報は、認識出来る物が増え、理解出来るものも合わせて増えます。

  脳内に定着する情報が増えると、思考力が格段に向上します。

  そのため、何事にも興味が湧かない人は、思考力がつかない状態となります。
  

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